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岩登り技術(文部省登山研修所制作/1973年)

 文部省登山研修所が、研修生の教育のために作った16mm映画です。1973年の夏に基礎編、1974年の夏に応用編の撮影がいずれも劔岳のロケで制作されました。
 登山研修所は富山県立山の麓、千寿ヶ原に1967年に設立された文部省の施設です。大学山岳部リーダー、社会人山岳団体の指導者や高校山岳部の顧問を対象に登山の研修を行うためのものです。
 この施設の専門員となった南極越冬隊帰りの佐伯富夫氏の要請で、ぼくは第一回の大学山岳部リーダー研修から始まって永くインストラクターを務めました。
 もともとぼくは、この映画の基礎編だけに出演するはずだったのですが、なぜか応用編にも出て下さいと言われ、エベレスト南壁から帰ってきたばかりの重廣恒夫氏と組んでチンネを攀ることになりました。
 後で分かったことなのですが、基礎編のラッシュを見た山の大御所、槙有恒氏が「この人の登りは素晴らしい。応用編にもこの人を使って下さい」という鶴の一声で、ぼくの再出演が決まったのだそうです。その結果、外された人はきっと怒ったのだと思います(それが誰だったかは、その後なんとなく分かったのですが)。
 その後1979年に、ぼくは重廣君にラトック1峰攻略を持ちかけ、一緒にこの難峰に向かうことになりました。(海外登山-府大山岳会50周年記念誌「回想のラトック1峰」参照)

基礎編1  応用編1
基礎編2  応用編2 
基礎編3  応用編3

 

Comments

高田直樹 | 2009/08/13 07:06 PM
早速の熱いコメント多謝。
君のコメントを見て、ずっと昔、ぼくが初めて岩登りをした時のことを思い出しました。
あれは御在所岳北谷での夏山予備合宿の後のことでしたね。もっと岩登りがしたくて、ぼく達二人だけで居残ったのです。
毎日、藤内沢の一の壁に通い、取り付き点でトップを奪い合うためのじゃんけんをしましたね。
つい昨日のように憶えているのに、長い年月が経ったのですね。
角倉 光彦 | 2009/08/09 03:37 PM
昔懐かしい、君の岩登り姿を拝見して、君がなぜ、岩登りが巧かったかが、よく分かりました。手足が、普通の日本人に比べて長いこと。体格が、今と比べてスリムで柔らかかったことだと思いました。常に心の底には、君は何かにつけてライバルだと決めつけていました。その原点は岩登りにありました。しかし、改めてyutubeの映像を見て遙か遠くに行ってしまったんだと思いました。ライバルとは失礼なことを言い、ご容赦ください。私流に言うならば、君には負けましたと言うべきでしょうか?君の生き方には色々学ぶものがあります。このサイトもますます充実してきました。暇なときに時々、開けています。頑張ってください。

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